木との相性抜群 天然素材 かき落とし仕上げ 高千穂シラスそとん壁
今回は一般住宅の外壁に天然素材のシラスを原料にしたそとん壁を塗りました。
最終的に仕上がってからでは下地の処理方法を目で確認することは出来ませんが、
見えない下地処理に多くの時間を費やしております。
なぜならは、この下地処理が重要で、どのような優れたものを塗りつけて仕上げても、いい加減な処理をしていと品質性、耐久性、すべてにおいて不具合が生じてしまうからです。
その重要な下地処理からの工程を紹介させて頂きます。
まずは木下地のうえに透湿防水シートを貼りつけます。
モルタルの下地材として、高い透湿性と防水性を発揮し、住まいの結露を抑え、外部からの水の侵入を防ぎます。
また、耐アルカリ性で耐久性にも優れておます。
モルタルは砂とセメントでできており、そのセメントがアルカリ性です。
このような特性がモルタルの直塗りに最も適しております。
防水シートは色んな種類がありますが、モルタル下地にはモルタルラミテクトをご使用下さい。
触って頂くだけで、耐久性のあるものだと分かって頂けるかと思います。
よくある薄っぺらいものとは全然違います。
続いて、波板ラスは張りこみます。
耐食性をもちあわせ、波うってるのが特徴でそのリブが下塗りの材料の塗り厚さを出しひび割れを抑えます。
また、この波板ラスを使用することにより、モルタルの塗り厚を均一に保ちます。均一にすることでクラックの発生を防ぎます。
波板ラスを張り込んだあとに、下塗り材を塗付けていきます。
この波うっているラスにしっかりとからみ合うよう、金コテで圧をかけて塗りこみます。
軽く塗っているように見えますが、腕に力を入れ、空洞ができないよう塗っています。
下塗り材が乾かないうちに、今度は耐アルカリネットを伏せ込みます。
このネットがモルタルの収縮クラックを抑制します。
これまでの工程を振り返って下さい。
まずは波板ラスを張り、下塗り材を塗り、そのうえにネットを伏せ込む。
この2重の工程がモルタルのひび割れを抑制する効果となるわけです。
下塗りでは、この後の仕上げ塗り材の接着をよくするために、刷毛引きを行います。
続いて下塗り材が十分に乾燥するまで乾燥期間をおき養生します。
十分な乾燥期間をおいたこともあり、ガチガチに硬化しております。
この時点で、ひび割れが発生することも考えられますが、2重の下地処理を施していることもあり、ひび割れがまったくありません。
この2重の下地処理の効果です。
続いて、最後の仕上げ塗りにかかります。
薄いところ、厚いところをなくし、均等に金コテで塗りつけていきます。
塗付け後、乾燥するのを待ちます。
ほどよい乾燥時間をおいて、かき落とし作業にかかります。
春と秋の気候のよい季節は乾燥の具合もよく、作業性もよいのですが、夏は乾燥が早く、
冬は遅く、乾燥しないこともあり注意が必要です。
生け花で使う剣山のようなものを使いかき落としていきます。
乾燥具合に応じて、力の加減が必要です。
材料の乾き具合によっても力のかけ具合が変わってきます。
昔ながらのかき落としの技術を用い、現代の優れた素材を使用した塗り壁材です。
耐水性、耐候性にも優れ、モルタル特有のひび割れが発生することもない、高級感のあるそとん壁です。
天然のシラスを原料にした温かみのあるたたずまいとなっております。